Story No.27
国際武道大学サッカー部監督   株式会社グースカンパニー 代表取締役

藤川孝幸さん

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千葉宏一

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-Profile

1977年読売ユース、1980年読売クラブに入団。
1992年にはベストゴールキーパー賞を受賞するなど
日本を代表するゴールキーパーとして活躍。

ヴェルディ川崎の黄金時代を築いた選手として
現役時代はJリーグ、 ゼロックススーパーカップ、サンワバングカップ、
天皇杯での優勝など さまざまな戦跡をあげる。

1995年現役を引退後、ヴェルディ川崎GKコーチ5年
ヴィッセル神戸GKコーチ4年、2005年ベガルタ仙台GKコーチ、
2006年甲南大学監督として関西大学リーグ2部優勝、
2007年セレッソ大阪コーチを経て静岡FC監督として東海リーグ優勝、
2008年からアビスパ福岡GKコーチ2年。
2009年日本サッカー協会公認S級ライセンス取得

2010年5月より国際武道大学にてサッカー部監督。



 

「努力を結果につなげる」

2011年2月
【心の強さを育てる】

サッカー好き、そして今だに週末は試合に出場する千葉宏一にとって、今回の対談はとても楽しみな対談でした。

現役時代は川崎ヴェルディのトップゴールキーパーとして名を響かせ、1992年にはベストゴールキーパーを受賞。
現役引退後も数々の有名チームでコーチとして活躍し、現在は国際武道大学の監督。
その輝かしい経歴をもちながらも、4人のお子様をもつパパでもある藤川さん。

お子さん方は自然とサッカーを始め、父親と同じキーパーのポジションで活躍中。
同じ4人の子どもを持ち、サッカーを愛する千葉と藤川さん。
対談の中でも考え方に共感しているシーンがとても多いと感じました。





(千葉) 藤川さんは4人息子さんがいるのですよね、 うちも4人です。
   息子さん、みんなサッカーをしているのですか?


(藤川) 一番下の5歳の子はまだですね、 きっとこれから始めますね。
   面白いのが、みんな同じルートをたどっているのです。 まず東京ヴェルディに入る。
   そしてあざみ野FC(少年サッカーチーム)に入り、その後それぞれ自由に。 3人とも同じルートを通っています。
   自然と子どもたちがサッカーを教えあっているんですよ。 お父さんがいないのでね(笑)

   僕は15歳から23年間ヴェルディに所属し、その後ヴィッセル神戸に4年間、ベガルタ仙台1年間、セレッソ大阪、
   アビスパ福岡2年間と仕事がずっと地方だったので、家にはあまりいなかったです。
   もちろん月に 2,3 回は帰っていましたが、子どもは勝手に育ってきていますね。


(千葉)  僕もサッカーが好きで続けていたので、子ども達は自然とサッカーを始めました。
   藤川さんのお子さんはみんなキーパー志望なのですよね。


(藤川) そうなんです。長男が明徳義塾に入ってインターハイに出場、次男も明徳義塾に特待生で入学、
   三男は横浜FCでセントラルトレセンに選ばれた。
   (トレセン = 日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を与えること)
   3人共がとても優秀な成績を残していくので、よっぽど父親が英才教育をしたんだとよく言われますが、
   僕は家にほとんどいなかったし、そもそもサッカーをやれといったこともないんです。
   教えた事も一度も無い。だから逆に不思議ですね。


(千葉) 血筋ですかね。もしくは奥様の教育とか?


(藤川) もしかしたら奥さんの血筋ですかね(笑)
   僕はクラブ育ちなのでグランド上では先輩後輩の上下関係や、走り込みっていうのはなかったですが、
   奥さんは一本筋がはいったバリバリの体育会系でした。    

   こう言うと悪く聞こえますが、僕はあまり子どもの事に興味がないんですよね。
   子どもの試合を見に行ったこともないし。 Jリーガーになったら行こうと思いますね(笑)
    ところがある日珍しく、一人で長男の試合をDVDで見ていたんです。
   リポーターの方が息子に藤川選手の子どもだということでインタビューをしたら、
   「お父さんのように努力を結果につなげられる男になりたい」 って言っていたのを見て、ふと涙ぐんでしまいましたね。


(千葉) それは嬉しいですね。


(藤川) 感激しましたよ。 こんなに成長したんだって。
    息子たちはサッカーをやっている上で、藤川選手の子どもという形で必ず比較されているから
   俺の息子としてキーパーをしていることが嫌だと奥さんから聞いていたんです。
   だから余計、このインタビューを聞いた時は感動しました。 こんなふうに思ってくれていたんだってね。


(千葉) でもキーパーというポジションを選ぶには、必ずお父さんと比べられますよね。


(藤川) 僕は小さいころからキーパーはやるなって言っていたんですよ。
   あんなに理にかなわない仕事はないからって(笑)。 小さい頃は無理やりフォワードをやらしていたんです。
   でも気付いたらキーパーになっていたんですよね。


(千葉) それはやっぱりお父さんの影響ですよね。






 大切なのは心の強さ



(千葉) お子さんが小さい頃に何か印象なことあります?


(藤川) 本当に自由に育ててきたので、子どもに怒った記憶がないのです。
   悪い言い方をすれば、興味がない。
   僕自身一人っ子で自由奔放に育ち、その中で勝手に育っていかないと男は強くならないという
   僕のなかでの教育論があったのです。
   もちろん筋を外したらそこはキチンと教えますが、他はとにかく自由に。
   奥さんがとにかく明るい体育会系のお母さんだからですかね、うちの子は反抗期がないんですよね。


(千葉) 思えばうちの子も反抗期がなかったですね。
   これが普通かと思っていたら、他の人の話を聞くと結構大変ですものね。


(藤川) 子育ての中でサッカーをやらせることは考えてなかったですが、新極真空手をさせることだけは決めていました。
   僕もやっていますが、子どもは4歳から新極真空手を習わせて、3人共に全日本大会にまで出場しました。
   その後サッカーをやりなさいと言ったわけではないのですが 、
   みんなそれぞれサッカーをはじめると、既に身体ができているんですね。
   怪我はしないし、そしていじめられないしいじめない。 必ず弱い子供を助けます。
   よく自分がいじめられないために、強い子になるためにと空手をさせる人もいますが、逆です。
   強い人は人をいじめないんですよ。
   だからこれだけはずっと続けていて間違っていなかったと思います。

   男の人って強さが必要じゃないですか。 ケンカとかではない、心の強さがないと男の世界ってやられちゃう。
   僕はビジネスの世界は分かりませんが、15歳から1年契約で生きてきたので、やっぱり勝ち残らないといけない世界。
   技術のある天才って沢山いるんです。でも、すごい技術をもっている人でも性格やメンタル面が劣っている。
   そういう人は生き残れない。 ハングリー精神がないから、壁にぶつかるとすぐにあきらめてしまう。
   そして大切なのは人間関係ですね。
   どんなに技術があっても人間性が伴わない人はクラブでは厄介者になってします。
   自分の子どもがサッカーをするとは思っていませんでしたが、何をやってもいいからとにかく1番になりなさいと言っています。


(千葉) 1番を目指すのは良いここだと僕も思います。 あきらめない精神が必要ですよね。
   教育方針を奥様と話し合ったりされるのですか?


(藤川) あまり細かくは決めませんが、大切だとおもっているのが礼儀、礼節、協調性、素直、誠実、間違ったことはしない 。
   後はいじめられない、いじめない。
   そして人の上に立てるような人格を作らせる、それが僕の中で空手です。
   身体も精神も強くなるし、礼儀、礼節を学べます。
   どんなことも中途半端にやらせてしまうと中途半端な人間になってしまうので、ちゃんと最低限のレベルまではやらせました。
   僕も現役を引退してから継続して空手をしていますが、空手をしていると健全な心が保てるんですよね。
   アスリートって気が小さい人が多いんですよ。僕も含めて。
   だから鍛えていないと不安になるんです。
   付き合いで飲むことがありますが、次の日は余計に身体を動かさないと不安になります。
   いつもの自分に戻らないと。僕は15歳の時から1年契約でしたから、1日1時間1分1秒が勝負なんです。
   クビになったらおしまいですからね。 常に堅実に忍耐強く頑張って来ました。


(千葉) そうやって頑張り続けたお父さんを、息子さんがしっかりと見ていたんですね。


(藤川) そうなんですよ!
   自分でも頑張り続けていることってわからないのですが、
   息子のインタビューを見て、改めて自分の生き様を確信することが出来ました。
   

 自分で考える力を育てる



(千葉) 藤川さんは今大学でサッカーの監督をしていますが、教える際に気をつけていることはありますか?


(藤川) 自分で考える力を育てるように心掛けています。
   怒らないですし、答えも教えません。 ヒントだけ教えて、自主性を持たせて自分たちで考える。
   
   最近のサッカーはヨーロッパから監督が良く来ますよね。
   Jリーグでも強いチームでも高校サッカーでも、型にはめた教え方をするんです。
   だから型にはまった戦術はできるですが、ちょっと違うことをされると適応・対応できないチームが凄く多いんです。
   その場の状況に応じて自分たちで相手に合わせて戦い方を考える、柔軟性を持って適応することができないんですね。
   昔のヴェルディや鹿島アントラーズ、ジュビロが強かったのは、自主性を徹底的にゲーム感覚で学ばせたからなんです 。
   だからどんな強い相手と戦っても個々が柔軟性を持って適応できていたから強かったんです。
   今は違いますね。 ダントツに強いチームでも意外なチームに負けてしまうことがあるんです。
   型にはめられた盲点をつかれてしまうとどうして良いのかわからなくなってしまう。 今はこういうチームが多いです。
   歴史あるヨーロッパの選手は、一人一人に柔軟性があった上で型にはめる。
   でも日本の選手は柔軟性がなくて型にはめられているので、余計できなくなっている。


(千葉) それってサッカーだけではないですよね 。
   日本の教育にも言えるところがありますね。
   大学の入試にうかるために猛勉強。でも入学後、卒業後どう生きるかは教えてくれないですね。


藤川さんが現在監督を務める国際武道大学サッカー部
国際武道大学サッカー部





(藤川) 僕が尊敬していて、いつも勉強になっている家族があるんです。
   俳優の渡辺裕之さん・原日出子さんのご家族です。
   ご近所に住んでいて子どもが同じ学級だったことで仲良くなり、バーベキュー大会をしたりしているんです。
   僕がすごいなと思うのは渡辺さんご夫妻は学校のどんな行事にも、必ず夫婦そろって参加するんです。
   芸能人と言うことで周りがびっくりしているのにもかかわらず、
   子どもの行事事に一切恥ずかしがらずに参加している姿をみて、すごく勉強になります。


(千葉) 子どもはすごくうれしいですよね。


(藤川) そこなんですね。子どものためだけを考えている。
   僕なんて子どもの運動会でのサッカー競争で格好つけちゃっているんですよ(笑)。 まだまだだなぁって。
   渡辺さんはいつも先頭にいってビデオまわして、お遊戯会も一緒になって参加して。
   すごいと思いました。お手本にしています。 到底追い付けませんが・・・(笑)。


(千葉) 夫婦で学校の行事に行くのは良いですよね。 僕もそこは気をつけていました。
   

藤川さん グースカンパニー代表千葉宏一


(千葉) お子さんの名前を付ける時は色々と考えられました?


(藤川) 家の子どもの名前は川崎大師の方が決めました。
   僕は寅さんではないですが、ずっと「川崎大師で産湯をつかり・・」の世界なので強い思い入れがありましたので、
   お世話になっている川崎大師の坂田聖観先生に全員付けていただきました。
   名前の漢字に「尚」、「誠」、「昌」、「敬」といった漢字が組み込まれています。


(千葉) 名前は本当に大事ですよね。
   創業当時からこだわり続けているBabyGooseの Naming Station という名前入りのアイテムがあります。
   名前ってその人の初めての固有名詞ですよね。
   色々な意味や思いが込められた名前を、もっと大事にしてほしいと思っています。
   もっと名前をアピールして、たくさんの人に呼んでもらう。
   自信をもって自分の名前をアピールできるようになってほしい。
   BabyGooseのネーミングステーションは自己主張の進めなのです。


(藤川) 僕もプレゼントを贈ることが沢山ありますが、BabyGooseの名前入りの商品を見て
    こういう物なら贈る側の真心が相手に伝わると思いました。
   もらっても贈っても心から嬉しいですね。


(千葉) 贈り物って、もらう人はもちろん嬉しいですよね。 でも贈る人も嬉しくなってほしいです。
   そしてそれを提供する僕らも嬉しくなる。 そういうギフトを作っていきたいと思います。
   僕の長男が産まれたときに沢山の方から贈り物を頂きました。
   その中に同じものがあったんですよね。 もちろん贈った方には言いませんし、わかりませんが、なんだかさみしいですよね。


(藤川) わかります。僕も経験したことあります。    
でも名前が入っている物ならかぶることも少ないし、まさにわが子のための物ですよね。    
これは本当に着せたくなります。もっと昔から知っていればよかったですよ!


(千葉) 宣伝不足ですね。これからもがんばります!





藤川さんの日記やTV出演情報などがある
藤川孝幸公式サイト

藤川孝幸公式サイト

教育論というと難しく考えてしまいがちですが、
藤川さんのように礼儀、礼節、協調性、など当たり前のことを
言葉ではなく身体や実践を通じて教えていくことが
大事なんだとお話を聞いて感じました。


教えずともサッカーをはじめ、キーパーを目指すお子様の前には
きっと大きな背中をもった立派な父親の姿、
そして明るい笑顔の母親の姿があったのだと思います。

これからの藤川さん、そしてお子様達の活躍が楽しみです!

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